ボイスオーバー 解説

何年もかけて培った技術が1作品で消費される悲しき職業、声優

ひろ
ひろ
こんにちわ、ひろです。

専業でボイスオーバーアーティストを生業にしています。

まずボイスオーバーってなに?という人はこちら。

要するに、「声優・ナレーションをはじめとする宅録で行う声のお仕事全般」を指します。

専業1年目にしてボイスオーバーで月収100万円を達成した経験を元に、

声を仕事にしてみたい、副業を作りたいという人、

TV・アニメで活躍する声優やナレーターを目指しているという方へも、

有益な情報をお届けしたいと思っています。

どんな天才でさえも

先日緒方さんの動画について書きましたが、声優業界も色々、人気先行ですねーという人もいれば実力派ですねーという人もいれば両方という人もいます。

どういう形であれ、その辺の一般人には逆立しても無理なことなので、すごいことだと思います。

そして、下手だ下手だと言われる人も中にはいますが、明確に技術を求められる側面もありますので、きちんとだれもが少なからず研鑽を積んで現場に立っています。

そんな中で、大きな作品の目立つ役柄を掴んでしまうと、大きくイメージを固定されてしまうという宿命もかかえているのも声優だと思います。

件の緒方さんも、シンジ君役としてブレイクし、ご自身でもエヴァンゲリオンが続く以上は頑張りたいというようなことをおっしゃっていたりもしましたが、呪術廻戦で見事大きな役柄を射止められました。

その感想を見てみると、やはり繊細で役に寄り添った素晴らしい演技と称賛される一方で、シンジ君にしか聞こえないという意見も多く見られました。

声優はキャラクターによって声を変える仕事と思われることも多いですが、人には必ず声の芯というものがあって、一番よく響くポイントがその人の芯の通った声なのですが、そこを外しながら演技をするということは、とても生理的におかしなことなのです。

そこに重い情感が乗り切らないというか、だからこそ、高音でキンキンとかわいらしい役柄をこなす人は多くが同じような声に聞こえたりするし、そうなると変わりはいくらでもいる、となったり、逆にその音が芯の通っている声を持っている人であれば個性的な可愛らしいキャラを長く続けていくことができたりします。

まぁ色んな役を幅広くできる人と、突き抜けた個性で役を勝ち取る人と2パターンいるともいわれますけど、結局突き抜けないと勝ち抜けない業界ですし、プロで役を勝ち取るために芯を外した声でオーディションを受けて後悔したという話もたくさん聞きました。

その人たちはそれ以降、声を変えず自分らしく演じてそれでも使ってくれるなら仕事する、というスタンスで行っています。

だから、色んな役ができるといっても、その人の役柄の本質のスポットはそこまで広く無いわけなのですが、それが一本の役をやることで、そのイメージがついてしまう事の大変さはたまったもんではありません。

一本で何億と儲かるハリウッド映画じゃあるまいし、作品にもよりますがそれだけで一生食っていくには大変です。

もちろんこだわればその表現は深淵ともなる声の世界ですが、身体表現よりは個性を出す幅は狭く、いい意味でも悪い意味でも加齢で大きな変化が出にくいし出しちゃいけない世界。

そしてみる人にとってはそこまでの事もわかるわけもなく、他のキャラクターとダブるから違う声がいいという意見も出てきて、主要な役をやりづらくなる。でも個性があればあるほど端っこの役で使いづらくなってくる。

ほんと色々と構造的に大変な職業だなぁと思う事もあります。

なんていいながら自分よりも遥かに稼いでいらっしゃるでしょうし、そんなものよりも世界を生きる事を生きがいとされる方々ですから、色んな葛藤も芝居の糧にして、芸術へと昇華してくださるとは思います。

くれぐれも声優業界というのは半端な気持ちで足を踏み入れるには魔境なんだなぁということを日々痛感すると共に、自分の生きる場にたどり着けたことに安堵し、一件一件気を抜かず大切に付き合っていかないとなぁと思う日々です。

ではでは。