ボイスオーバー 解説

ヒューマニエンス、ひらめきの世界。声の仕事で君はひらめけているか

ひろ
ひろ
こんにちわ、ひろです。

専業でボイスオーバーアーティストを生業にしています。

まずボイスオーバーってなに?という人はこちら。

要するに、「声優・ナレーションをはじめとする宅録で行う声のお仕事全般」を指します。

専業1年目にしてボイスオーバーで月収50万円を達成した経験を元に、

声を仕事にしてみたい、副業を作りたいという人、

TV・アニメで活躍する声優やナレーターを目指しているという方へも、

有益な情報をお届けしたいと思っています。

NHKの番組を観て

先日NHKでやっていた、ヒューマニエンスQ(クエスト)を見ました。

人体の不思議の最新研究を色々な角度で紹介するサイエンス番組で、割と好きで見ています。

出産、母体の回なども色々考えさせられました。

そして今回はひらめき。これは芸術の分野にある人たちも関係のある事だったので書き留めておきます。

その中で行われていた実験は、上位棋士と下位棋士に詰将棋をしてもらって、その時の脳の動きを図るというもの。

それもじっくり考えるわけではなく、1秒だけ見せてそれに回答させるという厳しいもの。

それはまさしく理論や思考ではなく、ひらめきの分野になってくるのでしょう。

その結果、やはりというかなんというか、上位棋士ほど正答率が高かったという結果が出て、

小さな脳領域の使い方の差もあったものの、一番差が大きかったのが、大脳基底核という部分が上位棋士は大きく活動していたとのこと。

大脳基底核というのは、進化的に古い構造の脳だそうで、そこは習慣的な行動を司る部分、そして無意識の分野ということだそう。

仮説としては、長い修行の末に、論理的な思考の先にある無意識下で答えに到達しているというような状況なのではないかとのこと。

さらなる仮説の中では、無意識下で答えが出るものや瞬時の判断は大脳基底核に任せることで、基本的な論理を司る前頭前野に余裕が生まれて、そこで独創的で創造的な指し手などに繋がって相手を圧倒するのではと。

そしてその場にいた上位棋士の方も、強い人との対局では、論理的に考えるというよりは、気持ち良い、心地よい方向へ差していけば、それが良い差し手となっていくとのこと。

いやー、人間。

人間!って感想が出るほど人間でした。

将棋というきちんとルールがあって、パターンは無数にあるとはいえ、結局論理の勝負なのかと思いきや、そこにあるのはひらめきと気持ちいいとかいう感情の世界という事がしびれますよね。

そういえば大御所のナレーターさんも、心地よい風、というフレーズが出た時に、その心地よい風を感じれば自然と良い読みになるだろうとか言ってて、そんなスピられてもわかんないよ・・・とか思っちゃってましたけど、

その天才ナレーターさんは、長い修行の果てに、きっちりと大脳基底核の原子の脳で、読みへのひらめきを得ていたという事なのでしょうねぇ。

他にも、原稿を見てビジョンがありありと浮かぶ人、原稿がメロディーとなって歌うように読む人、1行目を読んでいる瞬間に原稿の何行も先まで読めている人、

それぞれのやり方で天才たちは読みに対するひらめきを持っているようでした。

自身はとりあえず業界に関わって10年以上は経ちますが・・
その感覚は片鱗くらいは分かりますが、まだまだ使いこなせるなんてところには到底いません。

そして大脳基底核は感情や情動なども司っていると言われます。

演技やナレーションもそこには情動が伴うし、さらにひらめきに近いところにある情動が豊かな人が、人を動かす読みができるということもなんとなく納得してしまいます。

負けん気や情感が強い人が多く残っているのも納得です。

そしてそう言った大脳基底核を伴う行動の機構を作るのに必要なのが、10年とのこと。

1日3、4時間の真剣な訓練を10年間。自分も年月は10年以上ですがその密度は無かったかもしれません、誠にすみません。

そして物事の熟練の必要時間などをよく1万時間が必要などと言われたりもしますが、それともその計算が合致するということで、エビデンスも相まって、そこが腑に落ちますよね。

実際、自身も色んなスキルについて、分かっちゃいるけどできない、やっているつもりができない、という状態から、

特に論理的に解決したわけでもないけれど、長くやっているうちに、ふと腑に落ちる、ある瞬間に何かが分かって、そこからできるようになる、というときが何度もありました。

それも前頭前野で頑張っていたことで、大脳基底核へ落ちていき、無意識の中で変わって言っているものがあったんでしょうねぇ。

声優でいうと、長い練習の中で一つ一つの技術が腑に落ちていって、ほぼ自動で色んなスキルが発動していっている中で、

発声から芝居から掛け合い、感情のやりとり、あらゆることを大脳基底核でやってのけて、どうしても意識的にしないといけないことだけ前頭前野を使う、残りの全てをドラマに没入する、という事が出来た時に、ゾーンという場所へ到達できるのだろうなぁと思います。

そしてクリエイター側も何十年とやっている中の経験でちゃんとそこへ行けている事がわかるから、天才たちがちゃんと発掘されて、第一線が形成されているのでしょうね。

そう考えると、世が効率を求めて、表面的なノウハウが溢れていっていることに危機感を覚えつつも、
大谷くんや藤井くんや羽生くんのような革命的な人たちも生まれていることを考えると、いつの世でも天才は生まれるんですねー、いらん心配だったなーと一瞬で覆りました。

これから、自分が才能があるかどうか、1万時間やってみないとわからないぞ、というのは、早くに見切りをつけてしまった人たちに伝えたいなーと思うし、
大切なことに1万時間を使うためには、自分の時間の使い方も見直さないといけないし、無駄なことに時間を使えないし、やってみようと思ったことは躊躇せずに全力でやりまくらないといけないし。

何万回こすられた「継続は力なり」は、脳科学的にもやっぱり至言なんですね、ということが説得力を持って言えるなぁと思います。

不思議な人間の脳みそ、何で大脳基底核を呼び起こしますか?

ではでは。