演技・技術関連

スタジオベテラン声優・ナレーターはボイスオーバーに進出しないと思う、その理由

ひろ
ひろ
こんにちわ、ひろです。

専業でボイスオーバーアーティストを生業にしています。

まずボイスオーバーってなに?という人はこちら。

要するに、「声優・ナレーションをはじめとする宅録で行う声のお仕事全般」を指します。

専業1年目にしてボイスオーバーで月収50万円を達成した経験を元に、

声を仕事にしてみたい、副業を作りたいという人、

TV・アニメで活躍する声優やナレーターを目指しているという方へも、

有益な情報をお届けしたいと思っています。

食えるボイスオーバー

さて、1年以上前から初めて、少しずつクライアント様との繋がりが増えてきたおかげで、ボイスオーバー一本で生活ができるようになってきました。

それまでスタジオ若手声優としてはまったく生活できていなかったのに、です。

まぁ当時中堅声優事務所の所属になんとか滑り込めたわけですから、絶望的に下手なわけではないという自負はありますが、それでも東京のアニメ、TVナレーションの世界では下の下の存在であった私がほどほどに報酬を頂けているということが、ボイスオーバー界のブルーオーシャンを示しているわけです。

このままおじいちゃんまでのんびりと仕事させてくれないかなぁ〜なんてダメ男の私は思うわけですが、
時代とともに仕事なんてものは状況が移り変わってくるわけですから、ただうかうかしているわけにもいきません。

そして、今後そのブルーオーシャンのボイスオーバーが崩される要因としては、

・AI音声の台頭

・中堅〜ベテラン声優のボイスオーバー進出

・セミプロの大量増加

こんなところが挙げられるのではないでしょうか。

AI音声については昨日の記事でお伝えしたように、そのコストが人間を下回るのはそうそうすぐではないんじゃないかなぁと。ボカロとちゃんと共存しちゃってる時点で明確な脅威となるのはいつのことやら、という感じ。

そして2番目のプロスタジオ声優・ナレーター達の参入というところ。

まぁTVナレーターをバンバン排出している事務所が宅録サービスなども始めたりしていますが、

正直その価格帯では大量に仕事を取られることはないだろうなぁと思っています。

さらに、HPを作っただけで、そこを主軸にしようというよりは、

「TVナレーターもしているネームバリューのある人たちを宅録で使いたいならどうぞご連絡くださ〜い。」というような雰囲気で、

あくまで営業の主力はTVやネットの放送局など、ネームバリューを取った上で、ネームに営業をさせようというようなスタンス。

ちょっとそことは住む世界が違うかしら、という印象も感じます。

TVを取るために、安売りはできずそのブランディングをしないといけない以上、強力なライバルになるというのはまだまだ見えにくいですね。

同じように見えて違う世界の住人という感じです。

まぁそんな安売りできないという状況もさることながら、

ベテランがこっちにやって来れない理由ってあるだろうなーと思いました。

それは、「ちやほや」されないこと。

年数を重ねて業界にいればいるほど、その地位は確率してきて、周りは可愛がってくれる人か、自分が活躍したあとに入ってきた後輩達に囲まれていきます。

誰もが自分の機嫌をとるようになったり、その人1人にしかないスケジュールをなんとか自分のために抑えてもらおうと思ったり、その影響力にあやかろうと声優学校なんかも囲い込んだりしていきます。

そうなってくると、平気で仕事の内容やスタッフに文句を言ったり、自分に気に食わない事があると指摘したりできるようになってきます。

本人が変わるのか周りが変わるのか、それはわかりません。

まぁそういう人の場合、周りが自分より立場が上だから抑えていた人が、開放されていく、という形が多いんじゃないかなぁと思います。

そしてそういう人ほど、上の人だろうと懐に飛び込める胆力があって可愛がられていき、そのまま上の立場になっていくというような事なんだろうと思いますけどね。

もちろんベテランが全員そうじゃないということも合わせてお伝えしておきます。

ただ大なり小なりそういったところがある業界を一歩超えてボイスオーバーはどうかといえば、

相手はよく知らない人だし交渉を自分でやんないといけないし、しゃべるだけで終了じゃなくて、音の調整から編集もやんないといけないし、納期管理に請求書etc・・・

そこまでできる、というかやろうと言う人はあまり多くはないでしょう。

それも前例もまだまだ無い世界で。

プライドと手間、未勉強、こんなところからちゃんと仕事できていたベテラン・中堅声優は参入してこないだろうし、するとしても事務所や音響制作会社をかましてくる。
それだとかかるギャラの総額は跳ね上がってくるので、やっぱり同じ土俵には立たない。

という感じでしょうか。

なかなか自分が最初に乗り込んだ世界でトップを取れるタマじゃなかった、という事を認めるのはやっぱりどこまでいってもシャクですが。

それを乗り越えて、一本背負いではなく、寝技の組み合わせでなんとか出し抜けている現状に、満足しています。

それでもこれから生まれてくるであろうライバルには負けないよういろんなスキルを磨きながら、

どうせ来るなら恩を売っときたいなと思いながら日々備忘録を書き連ねています。

相手を知り今の自分を知る。良い状況に自分を落とし込んで、コツコツ戦うことが大事なのでしょうね。

ではでは。