ボイスオーバー 解説

ボイスオーバーにとって最高の競合・声優事務所

ひろ
ひろ
こんにちわ、ひろです。

専業でボイスオーバーアーティストを生業にしています。

まずボイスオーバーってなに?という人はこちら。

要するに、「声優・ナレーションをはじめとする宅録で行う声のお仕事全般」を指します。

専業1年目にしてボイスオーバーで月収50万円を達成した経験を元に、

声を仕事にしてみたい、副業を作りたいという人、

TV・アニメで活躍する声優やナレーターを目指しているという方へも、

有益な情報をお届けしたいと思っています。

さて、ふと改めて声優事務所ってボイスオーバーにとってはありがたい存在だなぁ〜と思ったのでそれについて。

最強の競合、声優事務所

ボイスオーバーを人にすすめるにあたって、声の仕事ってひと握りの人がそれだけで食べれるでしょ?

声優事務所にいるような人たちに敵わないし・・というのはよく聞かれることです。

声優事務所に所属し活躍されている方々が、最上級の才能と努力によってその地位を確立していることは否定の余地もありません。

が、様々な歴史と構造が、その他の人が活躍する隙を与えているとおもうので、その解説です。

価格を吊り上げてくれる

さて、声優事務所というのは事務所というだけあって人がたくさん関わっています。

個人事務所は数人でしょうがそれはおいといて。

社長以下マネージャー陣から、経理、デスク、事務、養成所スタッフetc。

その皆がきっちりと給料で働かせてもらっていて、

それがどこからでるかというと、もちろん養成所代金などを抜けば「タレントの報酬」から。

そしてまぁ事務所の取り分は20から、多くても4、50%と言ったところでしょう。

その中で、事務所の家賃もスタッフの給料もその他経費諸々賄っていくとすると、

売れっ子の報酬を引き上げる事になります。まぁ経費云々の前に取れるだけ取ろうとはするでしょうが。

そして、まだ全然売れていない若手であったとしても、相当ファンが増えそうなど、他のインセンティブが無い限りは、低単価案件なんか持ってきてそこの時間を奪われたら赤字になっていくというわけです。

なので、若手の報酬も引き上げる、そこにスタジオ代などもついてくる。

それがスタジオ声優・ナレーターを雇うベースの金額となってくるわけです。

そこで指名された若手のプレイヤーが、イマイチの読みだったとしたら。

そこより安くてまともな人が宅録でいたら、ある程度の価格でも、スタジオ声優・ナレーターよりは安いし。と、声優事務所がいることで声の仕事のベースの相場が上がっていくというわけです。

ありがたいですねぇ〜。

事務所の売れっ子も老いてきます。事務所の未来を考えると若手も育てないといけないけど、そんなにすぐ若手はプロ級になるわけもなく、ベースの上がった報酬に見合わないけど若手を現場に送るしかなく、案件のスタジオ離れが進むという事は想像に難くないですよね。

実力者を囲ってくれる

そんな実力者揃いの声優事務所なわけですが、そこいるプロ声優に憧れて、たくさんの声の仕事に夢を持つ若者が門をたたきます。

そして事務所としては、次のスターを育てるために受け入れます。

ですが圧倒的に仕事を振る事務所の方が力関係は上なので、多くの事務所の若手は自己プロデュースも自己営業も封じられる中、現場にも出れず、事務所に顔を出さないといけないしバイトもしないといけない中で少ない時間を練習にあて、日々を過ごしていきます。

つまり、ボイスオーバーなら十分食べれるようになっているはずの実力のある声優・ナレーターをしっかり飼い殺してくれているんですねぇ。

ありがたいですねぇ〜。

ちょっと皮肉が過ぎましたが、至って現実ではあると思います。事務所所属当時は無我夢中で日々を過ごしていましたが、改めて俯瞰でみると詰んでるじゃない・・と思う事はあります。

アニメなんて若手で1万5千円で下読みから本番から飲み会まで、相当な時間を費やしていますもんねぇ。
もちろんそれがネームバリューにつながれば一攫千金ですが、アニメに出ても知らない声優は山のようにいますし、ギャンブルが過ぎませんかねぇ。

そしてマネージャーも数が限られて、ベテランと売れっ子の現場を回すので精一杯、若手のための営業なんてしている暇はありません。

ということで、ライオンの皆さんは檻に入れられて身動きが取れない感じになってますので、

我々うさぎさんは呑気に草を食んで過ごせているというわけです。

今も何千人という人が声優事務所という夢に向かって研鑽を積んでいて、声優事務所に所属できないからもう声の世界から足を洗おう・・というストッパーになって頂いているという状況。

まとめ

ということで、報酬も上げてくれて、声の達人を動けなくする声優事務所という存在。

悲しい現実ではありますが、その現状を踏まえてどうハックするのか、ということが考えられるならば、所属していてもフリーでいても活躍できると思います。

悲観は何も解決してくれません。考え抜いて最善の行動を大量にする。

そうやって道を切り開いていかないといけないのが声の道。

メンタルも健康である必要がありますよね。事務所若手声優の病み具合もなかなかのもんでした。

とまぁここまで言っておいてなんですが、声優事務所が悪いと言っているわけではありません。

全員がほどほどに食える、ということを目指そうもんならすぐ潰れるでしょうし、

若手が失敗して事務所の看板に傷がつくリスクを負ってでも若手を売り出す声優事務所と、
なんのつても実績もない自称声優が事務所のパイプにあやかってチャンスを得ようとしている
それぞれの利害が一致し、業界の歴史の中で今の形になっているわけですから。

ただ、そういうもんだよねと受け入れきって自分の人生が立ち行かなくなっても、事務所は責任なんてとってくれません。

漠然となんでもやりたいではなく、本当にやりたいものを徹底的に絞っていくと、無理ゲー攻略の道筋が見えてくる事もあるかもしれません。

時には「捨てる」事、「飛び込む」事も大切。

関わる人が良き道を開けられるように、祈っています。