専業でボイスオーバーアーティストを生業にしています。
まずボイスオーバーってなに?という人はこちら。
要するに、「声優・ナレーションをはじめとする宅録で行う声のお仕事全般」を指します。
専業1年目にしてボイスオーバーで月収100万円を達成した経験を元に、
声を仕事にしてみたい、副業を作りたいという人、
TV・アニメで活躍する声優やナレーターを目指しているという方へも、
有益な情報をお届けしたいと思っています。
AI音声の露出が増える
最近、ひろゆき氏など有名人の声がAI音声で使えるようになり、AI音声という存在が大きく知名度を伸ばしました。
それ以前にも、初音ミクをはじめとするボーカロイドやボイスロイドなどの文化も大きく花開いていますが、
音声を一つ一つ調音していくと言う事ではなく、読み手のリズムやクセなどもありきで音声を作成できるということになり、よりリアルさが出ています。
開発者としては声を失ってしまった人が自身の声を使って読み上げれるようになどの願いもあるようで、そういう想いに賛同した著名人も開発に参加したとのことです。
一定量パターンの文章を網羅し読み上げることで、さまざまな創作文章にも対応できるようになるようですね。
正直ボーカロイドのように、調音していくことでナチュラルさを極めていく方向で進化していくのかと思っていたのが、だいぶリアルヒューマンの感覚に拠る作成の仕方というところに驚きました。
ボーカロイドも声の主はいますが、AI技術というところで大きく進歩したのでしょうかね?
声の主の技術に依存するということは・・・
となったときに、それだけ人に依存しているということは、
いくら声を提供するといっても、きっと補正が入るほどに非人間的になってきそうだから、
声質の良さだけではなく読みの精度なども模倣されるということ。
ということはちゃんと声優が声優たる技術を詰め込むことで初めてAI技術に価値が生まれるということですよね。
つまり何の実績もない声の良い人を連れてきて、「新人なんだから全部はした額で買取ね。」と言う事ではなく、
しっかり実績と知名度のある人が「声の使用権を貸す」、ということになると、
きちんと作成権利者を登録制にして、その使用によって印税が発生するというシステムにすることで、
『初めて声優にも印税制度が適用される』ようになるのではないかと。
「そういうもんでしょ」で済まされてない?
まぁ声優さんも歌を歌ったりするので、印税とかは無関係ではないんでしょうが、声自体というところでは、
弁護士も驚くほどぐずぐずの契約です。
これまで無限に再放送され、配信されているにも関わらず、おそらく声優にはほとんどお金が落ちない状態になっています。
たまに作品などのTVでの再放送などでほんの少しのお金が入ったりすることもありますが、微々たるもの。もしそれが全放送、配信に適用されたら相当なお金になるでしょう。
配信時代になっても半世紀も前の老いたシステムと構造のまま、文句も言わず高クオリティの声を提供し続ける声優。
きちんとした契約が結べる業界になっていれば、人気作品に出れたら放送と配信の数に応じて相応のロイヤリティが入ってきて、十分生活が送れるような状態になっていた事でしょう。
夢と掃いて捨てるほどいる志望者の陰でいいように使われている声優。
生きている内にストや革命などがみられますでしょうか。
次に報酬革命が起きる時には、きちんと海外事情にも精通した弁護士など、お金にまつわるプロも交えてシステムが作られるとよいですね。
とはいえ業界再編は厳しい。
まぁ複雑に根を張りまくった古い業界を変えるというのは相当な険しい道です。
ならばせめて、新技術であるAI音声というものが、
プロの敵とならずに、共存しながら、
読み手に依存する状態だからこそ本人への大きなロイヤリティとなり、
それが声優の業界の発展に寄与するような、「良い循環」が生まれてくることを、
もはや別の畑にいる身ながら願わんばかりです。
人生をかけて声の世界に身を投じる同志に幸あれ。
ではでは。